勾配天井とは?
勾配天井とは、屋根裏スペースを無くし、屋根の勾配(形状)に合わせて高い位置に天井を設ける構造を言います。
主に、平屋や2階リビングで採用されます。
勾配天井のメリット・デメリット
メリット
床面積以上の開放感が得られる
勾配天井の一番のメリットは開放感です。
天井の圧迫感が軽減されて視線が上に抜けるため、吹き抜けの様な開放感を得られます。
室内空間が増えるため、同じ床面積の部屋でもより広く感じられます。
実家と我が家のLDKは同じ床面積ですが、両親も我が家を訪れる度に効果を実感すると言っています。
室内の意匠性を高められる
本来なら天井裏に隠れる「梁」を敢えて見せることで空間に立体感が生まれ、勾配天井の魅力を更に引き立たせることができます。
また、「見せ梁(化粧梁)」と言って、意匠性を持たせるために敢えて梁を設ける手法もあります。
梁見せ天井の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。
なお、梁の設置方法によっては空間に圧迫感が生じ、勾配天井の開放感を損なうおそれがあるので注意が必要です。
高窓を設けて採光や眺望を得る
勾配天井にすると必然的に壁も高くなります。
壁の高い位置に窓(高窓)を設け、天窓のように光が降り注ぐような採光を得たり、室内から空を見上げるような眺望を得ることができます。
ただし、高窓の位置は天井高に左右されるので、屋根勾配が低い場合にはあまり恩恵が得られないかもしれません。
デメリット
エアコン効率が落ちる
勾配天井は室内空間が拡がる分、必然的にエアコン効率が悪くなります。
特に真冬の始動時は室内全体が暖まるまで多少時間を要する印象を受けます。
我が家に床暖房は無く、暖かい空気は上に行く性質があるため、早朝は足元に寒さを感じるのは否めません。
ただ、我が家は無垢床(パイン材)を採用しているので、一般的なフローリングよりも肌で感じる冷たさは軽減されています。
無垢床の温かさの理由に関してはこちらの記事をご覧ください。
勾配天井を採用する場合は、シーリングファンを設けて空気循環の効率を上げることも検討すると良いと思います。
夏場はファンと併用すれば弱運転でも十分涼しく過ごせます。
清掃やメンテナンスに手間と費用を要する
勾配天井に採用する高窓、照明、シーリングファン等は、設置位置が高所となりがちです。
そのため、清掃では高所作業用の脚立やモップ等を用意する必要があります。
また、勾配天井で安易にダウンライトを採用すると、電球交換時に脚立では高さが足りず、足場を組む必要性が出てきます。
よって、実際に住み始めた後の清掃やメンテナンスをイメージしながら、窓や照明計画を立てていくことが重要です。
勾配天井における照明計画に関してはこちらの記事をご覧ください。
建築費用が掛かる
勾配天井はオプション扱いが多いと思います。
その価格設定についてはHMによって違いがあり、
- 面積に応じて価格を設定する場合
- 面積に関係なく1箇所として設定する場合
があります。
また、価格だけでなく、施工実績の多さにも留意した方が良いと思います。
我が家のHMは勾配天井や梁を見せる施工実績が多く、オプション提示はされませんでしたし(元々の価格に含まれていたのかもしれませんが)、技術的にも安心して任せられました。
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