はじめに
平屋は全てがワンフロアで完結するため「足腰に優しい」と言われます。
その半面「移動が楽なので足腰が弱る」という意見も聞きます。
そこで今回は、平屋で暮らす当事者の目線から、これらの意見に対する感想を述べたいと思います。
平屋が足腰に優しい理由
階段の上り下りがない
平屋の最大のメリットは、何と言っても階段を上り下りする必要がないことです。
私は実家でもアパートでも2階建ての暮らしを経験してきましたが、やはり階段が無い生活は非常に楽です。
掃除機やモップを持って階段を上がったり、段差を1段1段きれいにする必要もありません。
平屋の移動は常に水平基調なので、足腰への負担が軽くて済みます。
階段から転落するおそれがない
階段には常に転落の危険が伴います。
私自身、幼少期に直線階段の13段目から転げ落ちた経験がありますし、実家に帰省した際に子供が目前で転落して慌てたこともありました。
階段は家の中でも特に事故が発生しやすい場所です。
小さな子供がいる家庭では侵入防止の柵を設置したり、階段では絶対に遊ばないよう注意していると思います。
足元の怪我は日常生活に大きな支障を生じかねないため、そのリスクを軽減できる意味合いでも平屋は足腰に優しいと言って良いと思います。
移動が楽で足腰が弱る?
「移動が楽になるので足腰が弱る」という意見があります。
しかし、日々の生活において階段の使用頻度は限定的です。
階段使用の有無だけを以って身体能力が弱まるというのは乱暴な発想だと思います。
むしろ、生涯にわたり足腰に負担を掛けず生活できるのは理想です。
階段以外の場所で、普段から身体を動かす習慣を身に付けていれば良いだけの話です。
転落→骨折(最悪死亡)→歩けなくなる→認知症という負の連鎖を回避できるわけですから、総じて言えばメリットの方が遥かに大きいと考えるべきでしょう。
まとめ
「平屋は足腰に優しい」は、その通りだと思います。
しかし、本当の意味で足腰に優しい家にするためには、床に段差を設けず、完全にフラットな家にすることも重要だと思います。
例えば「小上がり和室」や「小下がりリビング」を見てみましょう。
これらは
- 部屋に立体感を生んで広く感じさせたりオシャレに魅せる。
- 段差部分を収納や腰掛に利用できる。
というメリットがある反面、少し脇見をしたり、子供が走り回ったりした際などに段差でつまづくおそれがあります。
子供が放置した玩具やブロックを踏んで頻繁に痛い思いをするのと一緒で、意外と足元に対する注意力は及びにくいものです。
また、高齢になるほど、ちょっとした段差が大きな障害物に感じると聞きます。
本当の意味で足腰に優しい家造りを目指すならば、こういった点にも留意すると良いと思います。
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